作品 14 観世音菩薩

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法隆寺金堂壁画 1949年に焼損。

復元。

始めは 当時の色をそのまま再現を試みました。そのままは 赤青黄の中国人好みの極彩色。金堂の暗がりの中では素晴らしかったのでしょう。中華街的。和風、現代風の色彩としました。

菩薩 男性か女性か。ひげが描かれていたりする。体格はいいし そのまま復元すると男性か女性かわからないデブの芸能人。 西方の民族の女神が仏教に合流したものと考え 女性として描くことを選択。 

線は壁にクギのようなもので描かれたらしく 比較的しっかり残っています。

飛来する天女たちはみな同一 型紙があったのでしょう。この像の線も唐の長安のものと同一(現存しません)と推定。

髪飾りのあたりは特に経年劣化 火災損壊が激しく 専門家の復元では空白。 生花にしてみました。正面の仏像の髪飾り 唐代の実物は素晴らしかったはず ここから進めないのを見て 先生から打ち切り指令。髪も 他の復元は空白ですが できる限り自然に。

髪型は 唐の時代の高貴な女性のもののようですが 資料を見つけることはできませんでした。李白の詩に 楊貴妃の髪は雲の如し という比喩があります。


 



作品 16 イエスとロバ (未完成)

 

 

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 ここまでで筆を置きました。

 画題は イエスエルサレム入城

 新約聖書の物語 ロバに乗ってエルサレムに入るイエス 絵画にも映画にも描かれている。イエス「人を乗せたことのないロバをつれてきなさい」弟子「持ち主は納得してくれますか?」「主が入用と言いなさい」・・・イエス ロバに乗ってエルサレムへ。歓呼の中。 という絵は西洋にたくさんあるのです。 私はロバとイエスの初対面の場面を描こうとしました。笑顔のイエス。かわいい子ロバ。

 ロバを写生しよう! 東山動物園には珍しい種のロバでロバらしくない。愛知農場のロバは太りすぎのおっさんロバ。ユーチューブで見学者のおばさんにまつわりつく かわいいロバ動画発見。上記写真。画材店で茶色の岩絵の具は買ってあったのですが、薄茶色。・・・。

 イエス像は先行例超多数なれど 笑っているのはひとつもない。笑わせると顔がイエスでなくなる。体位、ポーズ、必ずギリシャローマで確立された立ち姿。貧弱な体格の男性など見つからない。やってみると絵にならない。コジキのスケッチ図となり 先生 助言せず立ち去る・・

 

そうこうしているうちに「展覧会に出品しましょう。ひとり3点ぐらい」! えっ 

エスの笑う表情の完成 紀元前後のユダヤ人男性の衣装の確定 痩せているけど修行した人の体格の描出 子ロバに歩み寄るしぐさ ロバの毛なみ まだ馬の描きかたに着手したところなのに・・

 

制作放棄 曼荼羅図制作へ 体型はまだ描けない 顔だけ 構図の決まっている曼荼羅で・・   

 




作品 17 万葉曼荼羅

 

    

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草木国土悉皆成仏

中央に 北西麓からの富士山 25000分の1の地勢図から作成

稜線の精確な富士

Aプランは 月見草 八人の空白に ひとりひとりに万葉の和歌 だったのです。  

月が桜木の幹を通して見えている 枝の桜花は省略 外輪の桜色に注目

Bプラン 富士山と桜 春の朝

Cプラン 富士山と月 秋の夜

シンメトリーへの強い意志とそれにあらがうアンビバレントな作者の気持ちへの理解を

曼荼羅とは抽象的なもの この作は具象 その方が日本的

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日本画 カルチャー教室の臨席のSさんが なぜか 万葉集に想を得た画集を貸してくれました。返す前に万葉人の顔をスケッチしたのがこの絵の顔です。学びはじめて半年で「展覧会を毎年やっているから出品しなさい」 とにかく描いた作品です。黄色の額は自作。

     

 



作品 19 画論 六法

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謝 赫(しゃ かく、479年 - 502年)は、中国南北朝時代に活躍した画家・評論家。

六法 (画論)の私的理解 ⇆ 私のおちいりそうな堕落

気韻生動:生命感 高趣 ⇆ 俗流 真似事、習い事

骨法用筆:的確描線 筆さばき ⇆ 無駄な線 悪筆

応物象形:深く見つめて実在へ ⇆ 見ないで それらしい形に描きなぐる

随類賦彩:その絵画世界に即した色彩 ⇆ 虚栄、コケオドシの色調

経営位置:構図構成、視点の妙 ⇆ 画面に 無駄 ゆるみ 

伝移模写:伝統、異文化を継承・融合しつつ新世界を創造 ⇆伝統固守 西洋かぶれ